制御性T細胞(Tレグ)とアレルギー

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Tレグでアレルギー発症を予防する(第七章より)

*衛生仮設(1989、David Strachan)*

乳幼児期の不衛生→免疫系が鍛えられ、アレルギーの発症が低下

衛生的な生活→1型ヘルパーT細胞(細菌・ウイルスに反応)2型ヘルパーT細胞(花粉・ハウスダストに反応)

先進国でアレルギー疾患の増加

Tレグ2型ヘルパーT細胞の免疫反応を抑える*

花粉シーズンの「少し前からTレグを増やす作用のある薬を飲みはじめて、事前にTレグを少しだけ増やしておくようにする。」

花粉シーズンに「抗原特異的なTレグが増えるようになり、免疫系はむやみにスギ花粉抗原を攻撃しなくなるのではないかと予想される。」

参照/引用:免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか、坂口志文、塚崎朝子、講談社、2020

「Tレグ 治療薬に応用」

2024年のインタビュー記事でも坂口博士は語っています。

「ステロイドをはじめ今使われている免疫抑制剤は全て『非抗原特異的』。つまり使うと免疫系全体の働きが下がります。感染症は起きやすくなり、長期的にはがんのリスクもある。薬剤自体の副反応もある」

「急性期の疾患にならまだいいけれど、慢性的な、例えば腎臓移植をして10年後、20年後とかには影響があります。そうした意味でも生理的で抗原的な免疫抑制剤、つまりより安全安定な薬を作りたい。それが免疫学の目標の一つです」

引用:上毛新聞電子版、《共存・克服・花粉症》終章、2024/12/16

Tレグとアレルゲン免疫療法(皮下免疫療法・舌下免疫療法)

すでにアレルギー免疫療法でTレグの誘導が行われています。

「アレルゲン免疫療法により、アレルゲン特異的な Th2型(2型ヘルパーT細胞の)免疫応答の緩和、Th1型(1型ヘルパーT細胞の)免疫反応の誘導、制御性T細胞(Tレグ)の誘導、またアレルゲン特異的IgG4抗体の産生などの有益な免疫学的変化の発現が期待できる。」

「対症薬物療法のように即効性を期待して行うものではない

参照/引用:アレルゲン免疫療法の手引き、日本アレルギー学会、2022

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